暴君になる方法 第4話 感想
今回はソ連の独裁者スターリンがいかにあの広い土地を統治していたかを見た。
まずスターリンについて面白かった話として、世界で最初に加工写真を使用したとされていることだ。
それがこの写真。
本来は左のレーニンと右のスターリンの距離は離れていたものの、編集で近づけた。
さらにスターリンを実際より少し大きく。
さらにさらにスターリンの天然痘跡を消すという、言わば美肌補正をした。
スターリンはとにかくプロパガンダで国の印象を表面的に良くしようとした独裁者である。
内面はめちゃくちゃだけど。
何せ、スターリンはプロパガンダに反証する科学の存在に嫌悪しており、科学を封殺。
加えて、スターリンが重宝したとされる人物も酷いものだ。
スターリンは間違いなく事実よりも虚飾を好んでいた。
そんな中「農業にもマルクスレーニン主義が通用する」とぶっ飛んだ人間がおり、極寒の環境下に穀物を晒して全部ダメにしてしまうようなダメ学者ですら、スターリンには素晴らしい人間に映ってしまうという。
ソ連をプロパガンダまみれにし、国民が不平を言うものなら片っ端から逮捕・拷問・処刑。
誤認逮捕なんて朝飯前。寧ろ100人逮捕して5人当たっていれば良いというレベル。
いやー本当バカに権力を持たせると碌なことにならない。
当時のソ連がどれだけ狂っていたかを示す風刺ギャグとして「アネクドート」というものがある。
当時は政治家批判や政治批判、社会批判はタブーだった。その中でもその現状を笑ったアネクドートは中々に秀逸で、今でこそ笑える話だが当時は命を賭けだったことを鑑みると複雑な気持ちになる。
いくつか例を挙げよう。
- 判事が頭を抱えて笑い転げながら法廷から出てきた。同僚の判事が寄ってきて一体何がそんなに可笑しいのかと尋ねた。「今世界で一番おかしなアネクドートを聞いたからね。」「へえ、どんな話なのか教えてくれよ。」同僚の判事が聞いた。「そりゃ無理だ。だって、たった今それを言った奴に10年の刑を喰らわせてきたとこだしね。」
- とある強制収容所の大部屋に3人の男が収監されていた。
その中の1人が別の1人に尋ねた「なんでお前さんはここにブチ込まれたんだ?」「共産党の幹部だっていうポポフを批判したら、このざまさ」
「へぇ、そうなのかい」尋ねた当人が言った。「こちとらポポフを支持したってんで、ここに送り込まれたんだがね」
2人の会話を耳にして、また別の1人が言った「そのお前さんたちが言うポポフとやらはだな・・・」「「ん?」」「私のことなんだけどね」
こんな洒落も許されないソ連怖すぎる...